中国渡航の手引き

中国渡航に際し、注意すべき内容や役立つ知識について、本ページにまとめてあります。
中国への渡航の際には、ぜひご活用ください。

以下について不明点や疑問点があれば、お気軽に@Akagi__JPのDMまでご連絡ください。

ビザ

2026年12月31日まで、日本人が「商業・貿易」「観光」「親族訪問」「交流・訪問」の目的による30日間以内の中国滞在に対しては、ビザが免除されます!
なお、「留学」や「就労」等上記以外の目的による入国時は引き続きビザが必要となります。

以下の記載はまだビザが必要だった時代のもので、備忘として残しております。
直近でビザ免除対象の方は読み飛ばしてください。

ビザの申請手順

中国のビザ申請は、オンライン上で申請書を作成し、承認を受けてからはじめて窓口に出向くフローとなっています。
ビザを申請するには旅程の入力が必要(予約は不要)ですので、渡航が決まったら時間に余裕を持って早めに申請するのをおすすめします。
基本的に、通常申請であれば4営業日でビザが発行されます。急ぎの場合は、2営業日後の午後に受取可能な特急申請もあります。

申請はこちらから:中国签证申请服务中心

トランジットビザ免除プログラム

上海や北京、杭州、深圳などの多くの都市では、トランジットビザ免除プログラムを実施しており、72時間、または144時間の間、ビザ無しでの滞在が可能です。
本制度を使用する場合、以下の制約があります。

  • トランジットビザ免除制度対象国であること(日本は対象国です)
  • パスポートの有効期限が3ヶ月以上残存していること
  • 中国を経由して第三国へ出国する航空券を所持していること
    • 日本 – 中国 – 日本の単純往復は不可
    • 日本 – 中国 – 韓国 – 日本など、第3国を挟む旅程なら可
  • 中国国内では、指定された地域から出ないこと

本制度についての詳細は以下のサイトをご確認ください。

国家移民管理局、72時間・144時間トランジットビザ免除手続きを解説(中国)

ここからはAkagiの個人的な所感ですが、ビザの取得を面倒くさがってトランジットビザ免除制度を使用したくなってしまいますが、ある程度旅慣れている方でなければ、面倒でも通常のビザを取得して渡航することをオススメします。

トラブルが発生したときに「制約が少ない」というのは案外便利なものです。144時間ギリギリの旅程にしたら飛行機が欠航し翌日の便に振替になり、滞在期限を超過してしまう…なんてことがあると大変です。

※追記 最近そんな事例がありました。

ホテル

中国のホテルには「外国人を受け入れられるホテル」「外国人を受け入れられないホテル」の2種類があります。
これは、中国の法律により、中国に滞在する外国人はその滞在地を公安局に届け出なければならない(住宿登记)と決められており、その届け出に対応しているかどうかで外国人を受け入れられるかが決まるためです。

基本的に「外国人を受け入れられないホテル」というのは、民泊や安宿がそのほとんどですので、ある程度のランク(1泊4,000円〜)のホテルであれば問題ありませんが、宿泊先のホテルが外国人の受け入れに対応するホテルか、予約前に調べておくと安心です。

Trip.comでの外国人も宿泊できるホテルの例
海外OTAを介して予約できるホテルは大体OK
Trip.comでの外国人が宿泊できないホテルの例
民泊に多い(本画像も民泊のもの)

通信

中国の電話番号は実名制で、旅行者用のプリペイドSIMのようなものはほとんどありません
(中国対応を謳うプリペイドSIMのほとんどは香港で発行されたローミング用のSIMです。)
中国でモバイル通信を使用する場合には、以下の手法があります。

  • 日本からモバイルWi-Fiルータをレンタルする
    • グローバルWi-Fi」「PENTACT Wi-Fi」など
    • 最も安価なことが多い
    • Wi-Fiルータとスマートフォン2台の電池残量を管理する必要があり、やや面倒
    • VPN機能が搭載されていない機種の場合、別途VPNの設定をする必要がある
  • 日本の通信キャリアの海外ローミング機能を使用する
    • スマホで簡単な設定をするだけで通信が可能
    • VPNの設定が不要
    • 値段が高い(ただしahamoを使っている人なら料金に含まれているのでお得です!)
  • 香港発行のプリペイドSIMを購入し使用する(おすすめ!)
    • Amazon楽天市場などで購入可能(「中国本土ならびにマカオで使用可能」と記載のあるものを選ぶこと)
    • eSIMの場合はalmondSIMがおすすめ
    • スマホ1台で通信が可能
    • VPNの設定が不要
    • SIMカードの差し替えが必要で、デュアルSIMに対応していない機種では、日本の携帯電話番号が滞在中使用できなくなる
      (クレジットカード等のワンタイムパスワードが受信できなくなるので注意!)

なお、ホテルのWi-Fiは、認証に時間を要す、中国の電話番号が必要、有料である等の理由により、個人的にはオススメしません。ないものと思った方が良いかと思います。

日本の回線

よく勘違いされやすいのですが、日本で使用している携帯回線については、海外でアクティブにするだけであれば、追加料金は一切かかりません
また、docomo、au、softBank、Rakuten Mobileの4社ともに、SMSの受信だけなら通信料はかかりません。クレジットカード等のワンタイムパスワードの受信もバッチリです。

よく見る2,980円/日の海外利用料金は、「海外ローミング」といって、現地の回線を通して海外でデータ通信をしたときにかかる料金です。データ通信をしない設定にしておけば、この追加料金がかかることはありません。
回線の設定から「データローミング」をオフにしてください!

なお、音声電話については、着信を受ける場合にも着信料がかかりますので、ご注意ください。インターネットを介した音声通話(LINE通話等)はデータ通信に課金されます。

海外ローミングを使用する場合

海外ローミングをする場合、各社の定額プランが使用できます。また、一部契約によっては基本料金内に海外ローミングが料金に含まれている場合もあります。
以下は一例です。(事前申し込みが必要なものもあるので、必ずご自身でご確認ください。)

  • docomo:980円/24時間/国内契約プランの通信量(世界そのままギガ)
  • au:1,000円/24時間/無制限(au海外放題)
  • SoftBank:980円/24時間/3GB(海外あんしん定額)
  • Rakuten Mobile:無料/2GB
  • ahamo:無料/国内と合わせて20GB
  • povo:680円/3日/1GB

VPN

ご存じかもしれませんが、中国のインターネットには「グレートファイアウォール」と呼ばれる検閲があり、多くの海外サービスが利用できません

  • Google(YouTubeを含む)
  • Twitter(旧X)
  • Facebook
  • Instagram
  • Discord
  • LINE
  • Yahoo!

これを回避するために、VPNが使用されます。
これは簡単に言うと、自分の端末からVPNサーバまで、通信内容が傍受されないように専用のトンネルを作成し、そのサーバを介してインターネットにアクセスするものです。あたかも自分が日本にいるかのように振る舞うことができるので、中国から利用できないサービスを利用できるようになります。

VPNサービスにはいろいろありますが、個人的にオススメなのは小龍茶館さんの「1coinVPNです。

中国人のエンジニアと共同開発しているため若干日本語が不自然な点はありますが、香港に在住している日本人が運営しているサービスで、運営者がTwitterで中国事情も発信しています。費用も最安のプランで月額30元(約650円)で、1ヶ月ごとの契約が可能なので非常にリーズナブルです。
私は「共用サーバコースプレミアム版(60元/月)」を使用しています。
(決してステマとかではないです!)

なお、先述の「海外ローミング」や「香港のプリペイドSIM」を使用している間は、ローミング元のキャリアのネットワークまでVPNのようなトンネルを通って通信をするので、VPNは不要です。

QRコード決済アプリ

中国では、QRコード決済の利用率が非常に高く、特に都市部では現金はほとんど使われません
また、クレジットカードは国産の銀聯カードが主流で、VISA、Mastercard、JCB、American Expressなどの世界的に普及している各決済ブランドは使えないところも多いです。

さらには、QRコード決済アプリがいわゆる「スーパーアプリ」となっており、タクシーの配車、地下鉄の乗車、各種観光スポットの予約、飲食店のオーダー、その他様々な場面で使用されています。
中国のほとんどの場所で、QRコード決済アプリを使っていることを想定したシステムとなっており、中国旅行には必須級のアプリとなっていますので、必ずダウンロードして事前準備をしておくようにしてください。

現在中国のQRコード決済として使用できるのは、大きく分けて支付宝(Alipay)微信支付(WeChat Pay)の2つで、いずれも2023年後半から外国人も利用できるようになりました。

  • 支付宝(Alipay)
    • 決済機能をメインに置いたアプリ(アプリを起動すると決済関連のメニューが最初に立ち上がる)
    • 日本でいう「PayPay」のような感じ
    • ダウンロード
  • 微信支付(WeChat Pay)
    • チャット機能に決済機能が付随するアプリ(アプリを起動するとメッセージ画面が最初に立ち上がる)
    • 日本でいう「LINE Pay」(サ終しちゃった…)のような感じ
    • ダウンロード

いずれも、会員登録、電話番号認証が必要です。電話番号認証は日本の電話番号でもできるので、出発前に余裕を持って実施しておくと安心です。また、パスポートによる本人確認をすると、決済限度額が引き上げられるので、大量に決済する予定のある方は本人確認をしておくと安心です。

おすすめは支付宝(Alipay)です。

地図アプリ

中国は全世界で使用されている座標系とは異なる座標系を採用している関係で、海外製のマップアプリだと位置ずれが発生します。
また、中国での地理データの収集には認可が必要で、海外製のマップアプリだと情報量が少ないことも多いです。

iOS端末をご利用の方

Appleのビルトインのマップアプリの使用を強くおすすめします。
中国国内に入ると自動的にマップが高德地图(Amap)の作成した地理データに切り替わり、そのまま使用できます。

機能は最低限でさっぱりしていますが、UIが日本語で使える点が非常に便利で、基本的におすすめしています。
中国国外にいるときも情報を調べたい場合や、中国マップアプリの高度な機能を使用する場合は、以下「Android端末をご利用の方」をご参照ください。

  • リアルタイムで信号機の表示や残り時間を確認する
  • 3Dマップ&最小誤差30cmの詳しい経路案内を使用する
  • 店舗の口コミやメニューを確認する
  • バスや地下鉄の現在位置を確認する
  • 経路案内からそのままタクシーを配車する

Android端末をご利用の方

以下のいずれかのマップアプリをご利用ください。

入国カード

2025年11月20日より、入国カードをオンラインで申請できるようになりました!
基本的には紙と差異はないのですが、一部空港ではオンライン申請専用のレーンがあり、通常よりも早く入国審査を通過できる場合があります。

オンライン申請はこちらから:入境卡填报

オンライン申請の手順

端末のダークモードをONにしている場合、申請項目が正しく表示されない、生成されたQRコードが読み取れない等の不具合の原因になりますので、ダークモードはOFFにして申請してください!

  1. トップから「入境填报」をクリック
  1. オンライン申請にかかる確認事項(対象者など)
    確認したら「已知悉」をクリック
  1. パスポート画像をアップロード
  1. 自動入力された個人情報が正しいか確認し、入国に関する情報等を入力
  1. 連絡先、滞在資格等を入力
  1. 入国理由、滞在地、出国に関する情報等を入力
  1. 同行者の登録をするかどうか
    登録する場合は「是」
  1. (同行者登録をする場合)「新增」で同行者を新規追加
  1. 法律上の確認事項
    一字一句間違いなく入力する必要があるが「一键录入」をクリックすることで自動で入力可能
  1. 「点击签名」でサインを記入
  1. フリーエリアに手書きでサイン
  1. 完了
    URLを保存できるが、上手く動かないことが多いのでスクリーンショットを撮ると安心
入国カード(表面)
入国カード(裏面)

中国入国に際して、外国人は入国カードの記入が求められます。
英語表記もあり、海外渡航経験のある方なら何を書けばいいか大体分かるかと思いますが、以下に説明を記載しますので、お役立てください。

表面:旅客事項
    • 日本人の方はパスポート綴りの英語で記入してください。
    • 姓と同様にパスポート綴りの英語で記入してください。
  • 出生日期
    • 生年月日
    • YYYYMMDD形式で記入してください。
  • 旅行证件号码
    • パスポート番号
    • 日本人ならMかTから始まるアルファベット2桁+数字7桁の9桁です。
  • 抵达航班/车次/船名
    • 到着する航空便/列車/船便名
    • JL89、NH967、MU576、MM877のような形です。
  • 本人电话号码
    • 本人の電話番号
    • 中国の番号があれば望ましいですが、なければ日本の番号でもOKです。日本の番号を記入する場合は「+81 90XXXXXXXX」のように、冒頭に+81を付け、最初の0は省略します。
  • 在华经停和目的城市
    • 滞在する予定の都市
    • 「北京」「上海」「四川」など、大体で大丈夫です。
  • 在华地址或旅馆名称
    • 滞在する住所またはホテル名
    • 複数箇所に滞在する場合は最初に泊まるホテルを記入すれば大丈夫です。英語で問題ありませんが、書ける方は中国語で記入すると親切です。
    • 親戚の家等、ホテルに泊まる予定のない方は住所を記入してください。なお、ホテルに泊まらない方は先述の「住宿登记」が必要なのでご注意ください。
  • 性别
    • 性別
  • 国籍
    • 国籍
    • 「日本」もしくは「JPN」と記入すればOKです。
  • 中文姓名
    • 中国氏名
    • ほとんどの方には関係の無い欄です。元中国籍で日本に帰化した方などで、旧中国氏名を持つ方は記入が必要です。
  • 签证号码
    • ビザ番号
    • 31日以上の滞在、留学、就労などの滞在でビザが必要な方が記入します。
    • 30日以内ビザ免除制度での入国の際は、必ず「免签」にチェックを付けてください。
      入国審査場でここにチェックが付いていないことで「君はビザを持っているのか?ビザ免除なのか?」と聞かれるケースを何度も見聞きしています。
  • 入境事由
    • 入国理由
    • 基本的には「旅游」で問題ありません。トランジットビザ免除制度で入国する方は形式上「过境」にしてください!
裏面:質問事項
  • 1. 您是否定妥出境行程?如是,请填写具体安排。
    • あなたは出国の旅程をお持ちですか?お持ちであれば、具体的な予定を記入してください。
    • 30日以内ビザ免除制度での入国の際は、出国便/列車/船の予約がほぼ必須です。場合によっては出発地で搭乗を拒否されることもあります。
    • ある場合は「是」にチェックを入れた上で、「出境时间」に具体的な日付を、「出境航班/车次/船名」に便名を記入してください。
    • 徒歩で香港に出国する、列車の発売日前で旅程が確定していない等の理由がある場合は、その旨を記入してください。
  • 2. 您是否有中方邀请单位或邀请人?如有,请填写其联系信息。
    • あなたは中国に招待団体もしくは招待者がいますか?もしいれば、その連絡先を記入してください。
    • ほとんどの入国者には当てはまりません。「否」にチェックを入れて空欄で大丈夫です。
    • 「就労」「留学」で入国する方や、「親族訪問」「商用」で入国する方で、中国国内の招待団体や招待者がいるときは、その名前と連絡先を記入します。
  • 3. 您在过去两年曾去过哪些国家(地区)?
    • あなたは過去2年間でどの国(地域)に行ったことがありますか?
    • 過去2年間の訪問国および地域を記載します。香港、澳門、台湾もこれに含みます。
    • 英語でも中国語でも大丈夫です。
    • ちなみに、EUのシェンゲン圏内をまとめて「EU」「欧盟」と記載してもOKだった話を聞いたことがあります。訪問国数が多い方はまとめてしまってもいいかもしれません。
  • 我保证以上申明真实准确,知晓如不如实申报将承担相应法律责任。
    • 私は、上記申告が真実かつ正確であることを保証し、虚偽の申告をした際には法律上の責任を問われることを承知します。
    • よく見る同意文です。「签名」に自身のサイン(日本語でも可)を記入してください。

その他豆知識とか

  • 中国のホテルや航空券を取るならTrip.comがおすすめです。
    • 中国国内で展開している旅行会社Ctripの海外向けのOTA(オンライン旅行会社)で、中国に最適化されています。特にこだわりが無ければTrip.comがベストに思います。
  • 航空券にこだわりがなければ中華系キャリアがおすすめです。
    • 中華系キャリアの航空券は、一年を通してLCC並みに安いことがあります。
      • 中国国際航空
      • 中国東方航空
      • 中国南方航空
      • 深圳航空
      • 上海航空
      • 厦門航空
      • 海南航空
      • 吉祥航空
      • など……
    • LCCに座席指定、預け入れ荷物等のオプションを付けるよりも、中華系FSCを買った方が総合的に良いことが多いです。
  • アルファベット順で日本を探すとき「J」ではなく「R」の欄に存在することがあります。
    • 中国のシステムあるあるです。
    • 原因は単純で、英語表記の「Japan」ではなくピンイン表記「rì běn」で読みが登録されているからです。
  • ORコードの読み取りはWeChatかAlipayを使用してください。
    • 中国のシステムはそこまでユニバーサルな設計になっていません。電話番号入力に海外の電話番号が対応していなかったり、身分証入力にパスポートが対応していなかったりと、かなり雑です。
    • モバイルオーダー、観光地予約等のQRコード読み取りも同じで、WeChatまたはAlipayでの読み取りしか想定されていない場合が往々にしてあります。(自動でアプリを開く設計にもなっていません)
    • 端末標準のQRコード読み取り機能で読み取ってもエラーになる、真っ白な画面しか表示されない、などの場合は、WeChatかAlipayで読み込むようにしてください。
  • コンセントの変換アダプタは不要です。
    • 中国のコンセントは、1つの壁コンセントに以下2タイプが1個ずつ併設されていることが多いです。
      • 「Aタイプ+Cタイプ共用」(画像上)
      • 「O2タイプ」(画像下)
    • このうち、画像上の「Aタイプ+Cタイプ共用」のコンセントに日本のプラグが刺さります。
    • ただし、使えるコンセントの数が半分になってしまうので、タップを持っていくと便利です。
    • 最近はユニバーサルタイプのコンセントを設置しているホテル等も多くなってきたようです。

ご不明な点やサポートが必要な点がありましたら、遠慮なくTwitter(旧X)のDMまでお問い合わせください!